ゲレーテルはまだ森の中 <全十話 完結済> |
第一話 ヘンゼルとグレーテル |
オリジナル・童話風・狼男×金髪美少年
その美貌で全てを思い通りに生きてきた少年・グレゴリー。何もかも手に入れられるからこそ、
彼が一番欲しかったのは、絶対に自分のものいならないような、野生の狼だった。
『脳味噌が退屈で溶けて、耳から流れ落ちてしまうより先に、何か起こるのなら、それが何だろ
うと構わなかったのです。』
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第二話 お菓子の家 |
オリジナル・童話風・狼男×金髪美少年
『迷ったら、死臭のする方に行けばいい。。鴉の死体が、きっと森の出口まで続いているはず
だから』 |
第三話 雨の悪戯 |
オリジナル・童話風・狼男×金髪美少年
『グレゴリーは、どんな幸福でも、不幸でもいいから、どうか何かが起こって、この森から出
られなくなりますようにと、強く何かに祈りました。』 |
第四話 夢 |
オリジナル・童話風・狼男×金髪美少年
『あの小鳥の囀りのように美しかったアルトは、ガサガサと、落ち葉が掠れるような音になっ
ていました。』 |
第五話 俄日和 |
オリジナル・童話風・狼男×金髪美少年
『この深緑の瞳に、どうしてか自分は逆らえなくなりつつある、そう言った恐怖とも快感ともつ
かない感情が、男の中には芽生えていました。』 |
第六話 不穏の月 |
オリジナル・童話風・狼男×金髪美少年
『その首輪の鎖は、端が長く延ばされていて、どうやら森の中でも特に太くて大きな樹に、念入りに何重も何重も、巻き付けられているようでした。』 |
第七話 悪夢 |
オリジナル・童話風・狼男×金髪美少年
『真っ暗闇の森の中で、自分一人でいるにも拘らず、怖いと感じていない自分が、ひどく恐ろしいもののような気がしていました。』 |
第八話 無力感 |
オリジナル・童話風・狼男×金髪美少年
『自分の手が、いつの間にか、狼の血に染まっています。それが夜風に乾燥して、なんとも気持ちの悪い感覚が、腕の神経を昇るのです。』 |
第九話 晩餐 |
オリジナル・童話風・狼男×金髪美少年
『グレゴリーの中で、まるで華奢な器から、何かが零れ落ちるような音がしました。しかしそれは、勿論男には聞こえない音でした。』 |
第十話 旅立ち <完結> |
オリジナル・童話風・狼男×金髪美少年
『グレゴリーはまだ森の中…』 |